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3)判定に対する有利性と成功回数の関係から見えた事

以下は、より細かく調べた第2回調査の結果です。
調査は、以下のようにして行いました。
  1. 対象PCのレベルと同じレベル設定で能力判定分岐を100回繰り返し、100回中の成功回数を表示するまでを1サイクルの操作とする。
  2. これを調査用キャラクター1人につき100サイクル実行して、それぞれの結果を記録する。
  3. 2)で作成した調査用キャラクター全てについて、このテストを行う。
調査終了後、記録を元に成功回数の平均値と標準偏差を計算し、グラフにまとめました。

こちらは、仕様変更前(Ver.1.20)の結果まとめです。
[img:成功回数平均と値のバラつき(第2回調査/CW1.20)]

こちらは、仕様変更後(Ver.1.29(02) with CardWirth Extender Ver.1.7β4)の結果まとめです。
[img:成功回数平均と値のバラつき(第2回調査/CW1.29)]

【判定に対する有利性と適性アイコンの明るさ】
グラフでは、適性アイコンが同じ明るさの範囲内で成功回数平均値が変化していきます。
この事から、アイコン表示は、あくまで特徴値の範囲を象徴的に表しているだけだというのが、視覚的にお分かり頂けると思います。
例えば、適性アイコンが同じ「明るい」キャラクターでも、具体的な数値を見ると「『普通』に近い」「『非常に明るい』に近い」など程度の差があり、能力判定分岐の成功回数にも差が出てきます。

【判定に対する有利性と成功回数の関係】
仕様変更前後とも、キャラの特徴が判定に有利なほど成功回数平均が大きくなりました。
ただし単純な比例関係ではなく、グラフの左右の端に近付くにつれ変化の度合いが緩やかになります。
向いている方も向いていない方も、ある程度以上になると差が小さくなっていく──
つまりは、どれだけ向いていなくても全く成功できないような事は無いし、逆にどれだけ向いていても全くミス無く実行できるようにはならない、という事のようです。

【判定に対する有利性と成功回数バラつき】
値のバラつきを表す標準偏差の方も、面白い結果が出ています。
標準偏差を判定に不利なキャラから順に並べると、仕様変更前と後の双方で「暗い→普通の境界より、やや有利」辺りをピークとする緩やかな山形の曲線を描きました。
これを見る限り、得意な事なら割合コンスタントな結果を残せるし、逆に不得意な事も、それなりにコンスタントな結果が期待できる(失敗の側に、ですが)ようです。

結果のバラつきが最も大きい適性があるんだか無いんだかなキャラが居るパーティーでは、
「あれ? この間はできたのに。おかしいなぁ」
「ったく、向いてないんだからさ……」
などという会話が成り立っているかもしれません。

※※※
絶対出来ないや完全ノーミスが無い(らしい)事、向いている度合いによって結果の安定性が変わる事など、本当に良く出来ていますね。判定の成功数から何かを予測しようとする際には少々困るのですが、人間らしいところがちゃんと入れ込まれているのは流石です。

第1回調査の結果もこちらでご覧いただけます。
第1回調査は1キャラ50サイクルで調査を行いました。

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