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とある街の、メインストリート。
ロバに荷物を載せて、てくてく歩いてゆく、鎖帷子を着た髭の親父がいます。
自身も大きな荷物を背負い、服は埃にまみれていて、どうやら旅人のようです。
ロバの腹に括りつけられた柄の長い斧は、護身用でしょうか。

どこに行くのかと見ていると、髭親父は、通りで一番大きな家の扉を叩きました。
確か、あれは、町長の家だと聞いたような気がします。
髭親父、応対に出た家人と、何か話している様子です。
ワタシは旅の商人云々と聞こえました。商売の前の挨拶に立ち寄ったのでしょう。
あなたは、その家の前を通り過ぎ、宿に戻りました。


夕食をとろうかと宿の1階に降りたところ、女将に相部屋を頼まれました。
どんな相手かと思えば、昼間見た、ロバの髭親父ではありませんか。
太い眉毛に、睨みつけるような目。
不機嫌そうに閉じられた口。
右頬には、何かで切られたような傷があります。
あなたは、内心、断った方が良いだろうかと考えていました。
旅商人だと言っていたようでしたが、実は、その筋の人なのかもしれません。

髭親父は、あなたの爪先から頭のてっぺんまで、値踏みするように眺めました。
そして、ぽんと手を打つと、相好を崩し、

髭親父:
「うん、この人なら大丈夫でしょ。
 女将さん、一晩ごやっかいになりまさぁ。
 おたくさんも、よろしくお願いしますヨ。」

そう言って、右手を差し出してきました。
笑った顔も、怖いといえば怖いのですが、そう悪い人ではなさそうです。

髭親父:
「ワタシゃ、ヨーゼフ・バウアーっていいましてね。
 各地を回って商いをしております。
 そうそう、お手持ちの武器に不安があるなら、是非ともワタクシめにご相談を。
 女将さん、切れなくなった包丁があったら砥いでさし上げましょ。」

顔に似合わず、意外と饒舌です。
ともあれ、あなたは、この髭の旅商人と、一晩同じ部屋で過ごす事になりました。

部屋に入ってから寝るまでに聞いた話によると、彼は、各地の町や村を廻り歩いて、
武器や火薬を売っているのだそうです。武具の修理もやると言います。
何かあったら、頼んでみるのも良いかもしれません。


一晩明けて、次の日の朝。あなたは、朝食をとって、一人宿を出ました。
街外れへ向かっていると、なんと、後ろから、さっき別れた髭親父がやって来ます。

髭親父:
「おたくさん、こちらに行きなさるんですかい。
 いやぁ、ワタシもこっちなんですがね。」

親父、ここでニンマリ笑って、

髭親父:
「昨今、何かと物騒だ。
 どうです、そこらまでご一緒させて頂くわけにはいきませんかねぇ。
 お礼なんてものは出せないが、この斧で、きっとお役に立ちまさぁ。」

武器や火薬などという狙われやすいものを運んで行商を続けているこの親父、
ちゃんと生き残っているところを見れば、結構、腕は立ちそうです。
さて、一緒に行くか、行かないか。どちらを選びましょうか。