このページは、【全エンジン向け】/【Next専用】選択の判断材料として作成しました。
色々あると思いますが、ツールの使い勝手など主観に関わることを延べても意味がないので、「CardWirthNextでないと実現できない事は何か」に絞って進めていきます。
従来手法で置換できるか、置換できるとして仕上がりや手間は納得できる範囲か、考えるお供にどうぞ。
(※CardWirthNext1.60の仕様を元に書きました。)

なお、筆者が代替手段を思いつかなかっただけ、他にも方法があるのに気付いていないだけということもあると思います。
従来手段での置換を計画されている方は、本当に方法はないのか、もっと上手いやり方はないか、ぜひ考えてみてください!

→私家版専用形式の注意点や、うっかり専用形式を選んでしまわないための方法は、こちらでご覧ください。

【記号の意味】
○:従来の手法で完全に置換できるもの。
△:従来の手法で一部 or そこそこ置換できるもの。
■:従来の手法で置換できないと思われるもの。

データウィンドウの拡張

【○】ステップの拡張:可変ステップと数値ステップ
CW1.50との主な違いは、1つのステップで11以上の状態を扱えることです。
  • 桁ごとに別々のステップ(一の位、十の位、百の位、……)で管理することで、CW1.50でも11以上の状態を扱えます。
【○】可変ステップへの変数や特殊文字の埋め込み
可変ステップで「特殊文字を展開」にチェックを入れると有効になります。
埋め込めるものは、#M、#R、#T、#U、#Y、$(ステップ名)$、%(フラグ名)%です。
  • 従来的手法で対応する場合は、特殊文字とその他のテキストに分けて取り扱います。
    ステップ内容を使用するセリフ・メッセージ・カードなどの表示を、フラグやステップで適宜切り替えます。
[▲上へ]

カードウィンドウの拡張

【■】技能カードの「バックパック対応」オプション
バックパック自体がNext独自の機能のため、バックパックの存在を前提とした事柄は、全てNextでないと出来ないことに該当します。
【△】キーコード設定数上限解除
CW1.50では5個までですが、6個以上設定可能になっています。
  • 従来手法での置換はできませんが、キーコードが6個以上必要なあれもこれもできるカードを作らないことで、ある程度対応可能です。
[▲上へ]

エリア:メニューカードの拡張

【■】メニューカードの「アニメーションしない」オプション
チェックすると、移動やキャンプ切り替え等の際、カードが反転する動きがなくなります。
これがどうしても必要な場合、CW1.50で同じことをする方法はありません。
【○】メニューカード名称の「変数を展開」オプション
チェックを入れて名称欄に「$(ステップ名)$」や「%(フラグ名)%」の形で参照先の変数名を書き込むと、その変数の内容がカード名として表示されるようになります。
  • 変数の状態の数だけ名称を違えたメニューカードを準備し、フラグで表示を切り替えれば、CW1.50でも見た目的に同じことができます。
[▲上へ]

バトル:敵キャストの拡張

【■】敵キャストにPC画像を使用する
敵の画像として、PCの画像を指定できます。
  • CW1.50で全く同じことはできませんが、シルエット画像などで誤魔化す代用することは可能かも。
【○】敵キャストの別名設定
「名称」欄にキャストカード名称とは別の名前を指定することができます。
  • 名前だけ異なるキャストカードを複数準備し、フラグで表示を切り替えたり、場合別に異なるバトルを準備したりすることで、CW1.50でも見た目的に同じことができます。
[▲上へ]

視覚的な演出など

【■】素材の埋め込み
CW1.50で可能なカードの「イメージ格納」以外に、効果音やセル画像の埋め込みが可能です。
CW1.50では、効果音埋め込みやセルへの画像埋め込みは出来ません。
なお、素材の無駄な重複を防ぐため、セルへの画像の埋め込みはシナリオから持ち出しになる効果系カードの使用時イベント内に限定するのがベターだと思います。
【△】前面セル
セルをパーティーやメニューカード、敵キャストよりも上に表示する機能は、Next独自のものです。
  • CW1.50でセルを前面表示はできませんが、パーティーやメニューカードを一旦非表示にしてからセルの操作を行うことで、似たような効果は得られます。
【△】PCセル
PC画像をセルとして表示する機能です。
  • エフェクトブースターでゲーム画面からPC表示部をコピー→あらかじめセルで参照しておいた画像名で保存 という形で似たようなことはできますが、PC背景のカード台紙込みでコピーされてしまうので場面を選ぶでしょう。
[▲上へ]

コンテントの拡張:Standard

【△】メッセージ・セリフの「選択肢の列数を指定」
1行に表示する選択肢ラベルを、最大4つまで増やせます。
  • CW1.50で全く同じことをするのは無理ですが、選択肢をいくつかのグループに分けて切り替え表示することで、一画面内には表示できない数の選択肢を一度に取り扱うことができます。
    (※説明が拙くてすみません。イメージできない方は、実際多数の選択肢を扱っているシナリオを探してみてください;)
【○】セリフの「話者を選択状態にする」
セリフコンテントで話者となったPCを選択状態にします。
  • PCを選択後、「選択中メンバ」指定でセリフコンテントを使えば同じことになります。
    評価メンバによる話者選択は、STARシステムを用いて仕組み的にも全く同じことが可能です。
【■】空白時間挿入の「ミリ秒単位」
0.001秒単位の設定が可能。CW1.50では0.1秒単位での設定になります。
【△】効果コンテントの判定対象に「使用カードの効果目標」追加
カードの使用時イベント内で有効。
  • CW1.50でもキーコード検知を利用して同様の効果を持つイベントを組めますが、そのシナリオ内限定になります。
【○】効果コンテントによる敵キャスト死亡時の死亡時イベント
エンジンの仕様変更で、シナリオ作成時に何かするものではありません。
Nextでは、CW1.50と異なり、敵キャストがカードの使用時イベント内の効果コンテントの効果で倒れても死亡時イベントが発生します。
(※オプションでCW1.50互換に設定することも可能)
  • キーコードイベントを用いて攻撃カードが使われた際に生存判定を行い、死亡と見なされる場合に死亡時イベントの内容を再生する。
    或いは、大事なことはバトル勝利イベントかエリアに戻して到着イベントで行う。
    このどちらかでCW1.50でも対応可能です。どちらかと言えば後者がお勧め。
[▲上へ]

コンテントの拡張:Branch

【○】クーポン分岐の「持っていない場合を成功とする」チェックボックス
  • 分岐の後方を逆にするか、それで対応できない場合は結果を一旦フラグに保存し(成功をFALSE、失敗をTRUEにしておく)続けてフラグ分岐を行うことでCW1.50でも同じことができます。
[▲上へ]

コンテントの拡張:Get

【○】カード配布系のコンテントの「持ちきれないカードを削除する」チェックボックス
PCかバックパックに配布する際に有効なオプションとのことですが、効いていない……?
  • CW1.50でも、PCの手札欄にカードを配布後、荷物袋から全て削除することで、同様の効果が得られます。
    ただし、他のシナリオや、シナリオ内の他の場所でも入手できるカードの場合、本来消すべきでないカードを消してしまう恐れがあるので注意が必要です。
  • 多少手間は増えますが、PCの手札欄に判定用カード1枚を配布して所持分岐を行い、配布先に空きがあるか確認しながら配布を行うと確実です。
[▲上へ]

独自コンテント:Standard

【△】メニュー移動
あらかじめメニューカードに「グループ名」を設定しておき、指定したメニューグループのカードを移動させます。
  • CW1.50でも、フラグで同柄のメニューカードの表示を切り替えて移動したように見せることができます。
    ただ、「アニメーションする」にチェックしていないときの反転なしの動きまでは、再現できません。
【○】セル操作用コンテント×3:背景位置・サイズ変更/背景置換/背景削除
あらかじめセルに「グループ名」を設定しておき、指定したセルグループに対して操作を行います。
  • CW1.50でも、複数のセルをフラグのON/OFFと画面の再構築で切り替え、同じように見せることができます。
  • 動的な処理は、エフェクトブースターを使う手もあります。
    コマンドの説明は、こちらのサイトが詳しいです。→JPY 非公式リファレンスマニュアル
[▲上へ]

独自コンテント:Utility

【■】制限
「荷物袋を制限」「セーブ・中断を制限」「キャンプ切り替えを制限」の3つがあります。
CW1.50で同じことをする方法はありません。
[▲上へ]

その他の拡張

【△】仮想ステップ
_1~_6までのPC名が入る「??Player1」~「??Player6」
選択中PCの番号(左から○番目)が入る「??SelectedPlayer」
の2つがあります。
なお、CardWirthEditorでは「??」で始まる名前のステップを作成できるため、例えばCardWirthEditorで作って元々「??Player1」という名称のステップがあったシナリオをNext付属のWirthBuilderで保存し直すと、仮想ステップと名称が同じ実在のステップが存在するようになります。この状態でテキスト中に $(仮想ステップ名)$ が出現した場合、表示は実在のステップよりも仮想ステップの方が優先されます。
  • PC名は、目的のPCを選択した後、#Mを使って表示できます。
    • 仮想ステップを用いたメニューカードや敵キャストへのPC名表示は、CW1.50ではできません。空白などで誤魔化すことになると思います。
    • 複数の特定PCの名前を1つのセリフ/メッセージ内に表示するために利用する場合は、従来の手法では置換できません。
      全く同じにすることに拘らなければ、テキストを分割する、名前を入れなくても分かる形に文章を工夫するといった方法も取れるかも。
  • 選択中PCの番号は、選択中メンバが_1~_6のどれを持っているのか調べてステップに保存することで、CW1.50でも同じ効果が得られます。
【■】カード名の文字数制限緩和
CW1.50などでは全角6文字までだったものが、全角8文字(キャストは7文字)までになっています。
CW1.50で6文字以上入力する方法はありません。
【■】RPGツクール形式のMIDIループ(CC#111)対応
CC#111の挿入位置までを1回再生→それ以降がループ再生されます。
CWPyはv.0.12.1β1以降対応していますが、CW1.50は非対応です。
[▲上へ]