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今回は、「十賢者はどのようにして造られたか」に話を絞ることにしよう。
結論から言ってしまえば、筆者は、十賢者はすべて人造人間であると考えている。
つまり、受精卵なり、誰かの体組織片なりを培養液の中で育て、細胞の成長因子に小細工することによって、急速に現在の姿まで成長させたという説だ。
よくSFマンガなどに出てくるような、透明の筒の中に満たされた液体の中に人間が浮かんでいて…という、あのイメージである。

シークレット情報によれば、辺境惑星で反乱が起こった後に、新兵器開発の話が出ている。
敵である反乱軍がネーデの技術を利用した武器を持っていて、なかなか鎮圧できない。そこで、それを解決するべく新兵器を、という流れだ。
ネーデとすれば、いままで全く格下だと思っていた相手が思わぬ抵抗を見せるので、あせったに違いない。だが、宗主国の威信にかけて、絶対に負けることはできない。
そのために選ばれたのが、当時、紋章科学の宇宙的権威だったランティス博士だったろう。
ネーデ一、いや宇宙一の頭脳を持った彼ならば、必ず反乱軍を鎮圧できる力をもった新兵器を開発するに違いないという確信が、最高評議会にも軍にもあっただろうと思う。

期待を一身に背負ったランティス博士は、何を考えたか。
ここで思い出されるのは、ギヴァウェイ大学の蔵書の中にあった、「より強力な紋章力を秘めた人間を作るべく実験が行われた時代があった」という記述だ。
紋章学の権威であるランティス博士なら、この「人間改造計画」とでも言うべき研究の関連文献を読んでいないはずは無い。ことによると、彼自身がこのプロジェクトに関わっていたかもしれない。
また、同じくギヴァウェイ大学の蔵書に、「ランティス博士がネーデ人の遺伝子配列が紋章力を行使するのに最高の配列であることを証明した」という内容がある。
これらのことから、ランティス博士には、ネーデ人のDNAと紋章力の関係について、以前から十分な知識があったものと思われる。
その豊富な知識をもとにして、「最も紋章力を行使するのに適したDNA配列を持った人間を造れば良いのだ」という結論に達したのだと、筆者は考える。

さて、問題は「最も紋章力を行使するのに適したDNA配列を持った人間を造る」ための手段であるが、これには大別して二通りのやり方がある。
1つ目は、ネーデ人の中から適性者を選抜してDNA改変手術(?)を受けさせる方法。
だが、これは人間を集めるのに時間がかかるし、既に成長した個体のDNAに改変を加えるわけだから、リスクも大きい。既に反乱軍は新兵器が無ければ手におえないところまで来ていたはずだし、こんな手間がかかるうえに失敗する危険もあるような方法は取らなかっただろう。
ならば、もう1つの方法―――すなわち、DNA合成によって適当な配列のDNAを作成し、そこから人間を造ってしまえばよいというわけだ。

以上のような理由で、冒頭で述べたように、筆者は、十賢者の全員が人造人間であると考えた。
さらに言えば、彼らは普通のネーデ人の何倍ものスピード、例えば1週間で受精卵から成人までといったような速度で成長させられているはずだ。そうでないと、早急に兵器として使用するという目的にそぐわない。
作業は急ピッチで進められただろう。誰も「第一次防衛十賢者計画」プロジェクトの成功を信じて疑わなかったに違いない。
しかし、この後、悲劇は起こる。順調に進んでいたかに見えた計画が、ランティス博士の反乱という結果に終わった理由についての考察は、第二回で述べることにする。
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