|| トップページ「Star Ocean 2」十賢者>個人的想像による十賢者


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さて、少々重たい内容が続いたが、今回は話題を一転して十賢者の能力について考えてみよう。
筆者は十賢者がエクスペルにいる間、直接自分たちが動くことなく、モンスターを使って回りくどい攻撃を仕掛けてきていたことに非常に疑問を感じていた。
あれほどの力を持っているなら、邪魔なものは自分たちで排除すれば良いではないか。彼らの言うところの「未開惑星」の人間相手なら、科学技術の差によって絶対的有利に立てたはずだ。
この疑問は、最近、知人のY氏の言葉によって解決した。
Y氏曰く、「十賢者は、ネーデ以外では本来の力を発揮できないんですよ」。
そう言われてみれば、思いあたることがある。エルリアタワーでのルシフェルの台詞に、「これは、我等がネーデに戻るための手段の一つにすぎん。全ては我々が力を取り戻し…」云々というのがある。つまり、ネーデに戻れば力を取り戻せるというわけだ。

なぜ、十賢者はネーデ以外では本来の力を発揮できないのだろうか。
ネーデという土地自体に何かあるわけではない。十賢者が誕生したのは惑星ネーデだが、彼らが帰ろうとしていたのは人工天体のエナジーネーデである。
十賢者の力の源となるものは、惑星ネーデからエナジーネーデへと移動したわけだ。
それが何かという議論に移る前に、ここで十賢者たちの力について触れておこう。
ノースシティ図書館で一般人が閲覧できるネーデの歴史は偽りであるが、嘘の部分はそれほど多くはないと筆者は考える。事件から37億ネーデ年という気の遠くなるような時間が経過した今ならともかく、まだ人々の記憶が新しかった当時、大部分が嘘の発表をすれば、誰かがおかしいと考えたはずだ。ほとんどが真実として、その記述に「神の十賢者と呼ばれる者たちが、その強大な紋章力に魅せられ」とあるのだから、十賢者たちの力=紋章力と考えてよいだろう。つまり、彼らの力が強まるといえば、紋章力が強まるということだ。
それでは、ネーデにある彼らの紋章力の源とは何だろうか。

ネーデ人には十賢者たちの宇宙征服計画を阻止または遅らせる手段として、十賢者の力の源となるものを廃棄するという選択肢があったはずだが、なぜかそういう話は全く出てこない。
クロードたちの話から、彼らはネーデに十賢者たちの力の源となる物があると分かっただろうが、それでも話題にならない。おそらくそれが廃棄不可能なものだったからだと思われる。
惑星ネーデにもエナジーネーデにもあり、人々の生活に密着していて廃棄するに廃棄できない物…ここで思い出されるのは、ノースシティ図書館データベースの「現在、実際に紋章が使用されているのは、トランスポートや発電所といった、大型施設においてのみ」という紋章に関する記述である。大型施設で使用される紋章が何を紋章力に変換しているのか、つまり「術者」にあたるのは誰かという問題は残るが、ネーデでは発電に紋章の力が利用されているわけだ。
筆者は、このような人々の生活に欠かせないエネルギーを発生するための紋章から、十賢者が何らかの方法でパワーを受け取ることができるのだと考える。
例えば、「世界中の発電所を停止させれば地球滅亡を遅らせることができる」といった場合に、実際にすべての発電所を止めることはできるだろうか。恐らく出来ないだろう。止めなければ地球滅亡を加速させると分かっていても、医療分野を始めとして電気が不可欠な現場は数多い。急に電気のない生活へ移行するのは不可能だ。それと同じで、ずっと紋章の力でライフラインを賄ってきたネーデでその紋章を消すということは、人々の全生活が停止するに等しく、所詮不可能である。最初から不可能と分かっているので問題にされなかったのだろう。
十賢者たちは紋章力を発揮するのに適したDNA配列を持つように造られているので、元々通常のネーデ人よりも強い力がある。それにさらに上乗せする形で力を強化するため、小型のエネルギー発生装置と共に反乱を起した星域へ派遣するというようなことを、当時のネーデ軍は考えていたのではないだろうか。
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