かなり以前に作りかけていたシナリオを、今完成させたい方向けの記事です。
CW黎明期の未完成シナリオを、いまなら完成できる! と思ったとき、思い出していただければ幸いです。

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現在、シナリオ作成ツールは、WirthBuilderやCWXEditorが主流と思われます。
いずれもシナリオのデータバージョンが4になって(←CW1.20辺りからです)以降かなり経ってから作られており、バージョンによってはデータバージョン4未満(≒CW1.15以前)のシナリオに完全対応していなかったり、付属テキストなどに対応・非対応が明記されていなかったりします。
そこで──…

CW1.15以前のシナリオを安全に編集するために

CardWirthEditor(ASK製公式エディタ)以外を用いるときは、編集を始める前に、以下の操作を行っておくことをお勧めします。
内容に手を加える必要はありません。データバージョン4対応のCardWirthEditorで開き、上書きボタンを押したら閉じるだけです。
そうすることで、シナリオはデータバージョン4になります。

データバージョン4はCW1.50で用いられている(2020年時点で)最新の公式のシナリオフォーマットで、公式フォーマット対応ツールなら、ほぼ間違いなく対応していると思われます。そのため、ASK製以外のツールでも問題が起きる可能性が低いです。
シナリオデータバージョンが古いことによる未知の問題も、データバージョン4に変換してから編集すれば回避できるはずです。
  • 使用するシナリオ作成ツールがCW1.15以前のシナリオ(データバージョン0や2)に対応しているか明確でない場合は、問題なく読み込めるように見えても、念のため上記手順を行うことをお勧めします。
  • 今からCW1.15時代に作っていたシナリオの完成や修正を目指す人は、ほとんど居ないと思われます。
    つまり検証する目が少ないわけで、データバージョン4の編集と比べて、不具合があっても発見されにくい状況です。
    データバージョン0や2への対応が明記されているツールでも、未発見の不具合対策として上記手順を行っておくと、より安心です。

CWXEditor7.3以前は必ず対策を

CWXEditor7.3(以前も?)では、以下のような現象が確認されています。
●データバージョン0 または 2のシナリオを開いたとき
スキルの取得/喪失/所持分岐 及び 召喚獣の取得/喪失/所持分岐が、何らかのカードを指定していても「(指定なし)」になる。
●データバージョン0のシナリオを開いたとき
既存の開始エリア設定が消える。
↓例1:シナリオ「見えざる者の願い(データバージョン2)」エリア32。スキル取得が「(指定なし)」に。
[img:同じシナリオをWirthBuilderとCWXEditorで開いたところ(1)]

↓例2:シナリオ「賢者の選択(データバージョン2)」バトル10。召喚獣喪失が「(指定なし)」に。
[img:同じシナリオをWirthBuilderとCWXEditorで開いたところ(2)]

シナリオを開いただけの段階なら、何もせずに閉じれば大丈夫です。
ただし、参照状態が「(指定なし)」の表示のまま一度でも保存してしまうと、実際のシナリオの中身も指定なしになります。保存前のバックアップがあれば良いですが、無い場合は、参照切れの箇所を1つずつ手作業で修正しなければなりません。そうならないよう、CWXEditor7.3以前で作業する場合は、必ず「CW1.15以前のシナリオを安全に編集するために」でお勧めする対策を行ってください。

※※※
この現象は、2017年にCWXEditor開発に報告されています。
(→「CWXEditorについての質問・連絡等(part2)」,2017-03-19付近参照)
その際、そのシナリオにはより新しいバージョンがあり、そちらは問題ないという趣旨の回答がなされていました。1.15というワードも出ていましたが、その後修正されていないので、クラシック形式はデータバージョン4のみ対応という仕様になっている可能性が高そう──

──と思っていたら、上記の現象については7.3の次辺りで修正されるようです。
CWXEditor7.3以前を使っている方は、CWXEditorの更新情報を確認してみてください。

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データバージョン4未満の目安

バージョン1.15以前のCardWirthEditor(以下、“CWEditor”と略)で作成したシナリオは、確実にデータバージョン4未満です。
更新日が1999/08/24(=CWEditor1.20の公開日)以前のシナリオは、全て該当します。
  • 手持ちの古いシナリオを調べたところ、CWEditor1.20が出た翌日の1999/08/25には、データバージョン4のシナリオが出現しています。
  • 現在配布されているCWEditor1.20は、データバージョン4のシナリオを生成します。
ただ、CW1.20以降のシナリオは全てデータバージョン4かというと、はっきりしません。
CW1.20&Editor1.20の開発履歴には、「データバージョン3対応」の記述があります。CW1.20時代の最初に、ごく短期間、データバージョン3が流通した期間があったのかも……?
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