Next宿に含まれるプレイヤーキャラクター(以下、PCと略)データの圧縮を解除して称号情報を取り出したり、元々非圧縮の済印・宿ゴシップの情報を確認することはこれまでも可能でしたが、
  • 各PCの称号・済印・宿ゴシップの全てをユーティリティモードでCW1.50宿に移植しようとすると、それなりの手間がかかる。
    バイナリエディタで移植すれば作業を短縮できるが、宿データの構造など多少の知識が必要。
  • 宿内の技能やアイテムなどは、Next側でカード名と出典シナリオを逐一記録し、CW1.50側でユーティリティモードを使って1つずつ配布し直すしかない。これには相当の手間がかかることが予想される。また、アイテムの使用状況は引き継がれない。
  • もし、Next専用シナリオから得た“実際の内容的には1.50仕様”のカードまで移植しようとすると、対象の把握からとなり、さらなる手間がかかることが予想される。
といった問題があり、NextからCW1.50への宿データ移植は不可能とまではいかないまでも、非現実的と言わざるを得ない状況でした。
しかし、CWXEditorにNext専用シナリオの読み込み機能が実装されたことで、所持カード情報を含めたPCデータまるごとの移植が容易にできるようになりました。今現在、Next→CW1.50の宿移植は一応可能と言っても差し支えないのではないかと思います。

【必読!】概要と問題点

手順を大雑把に説明すると、以下のとおりです。
  1. WirthBuilderを用い、Next宿に含まれるPCデータの圧縮を解除。
  2. CWXEditorで、圧縮解除したPCデータを丸ごとCW1.50で取り扱える形式に変換。
    誤り検索を使って、Next専用要素を含むPCの所持カードを取り除く。
    (↑2019/07/07~ この変換処理が新たに可能になった。)
  3. 非対応部分を除去したPCデータを、元々圧縮がかかっていない済印・宿ゴシップ情報とともに、土台となるCW1.50宿に移植する。
なお、以下のような問題点があります。
  • Next専用要素の多くはCWXEditorの誤り検索で発見できるが、効果音が埋め込まれたカードなど、CW1.50で取り扱えないにもかかわらず、誤り検索では検出できないものが存在する。
    非対応カード探しは手間を惜しまず慎重に行わないと、宿移植によって気づかないうちに所持カードの内容がオリジナルから変化してしまうことがある。
  • PCデータの圧縮解除の際、一旦シナリオの一部として保存する必要があるため、所持カードの出典情報(カード情報右下のシナリオ名+作者名)が、一律圧縮解除に使ったNextシナリオの情報に置き換わる。
  • アルバムのPCは、移植ができない。
  • 不具合の有無を検証することが難しい。恐らく異常が発生して初めて顕在化する。
どうしてもNextの宿を別のエンジンに移植したいときのための非常手段です。
不具合が起きると、最悪の場合、移植後の宿全体が使用できなくなる恐れもあるため、積極的にお勧めはしません。
必ず事前に元の宿のバックアップを作成した上で、自己責任で実行してください。
移植完了後もこまめにバックアップを行って、正常に使えていたときの状態を残しておくことをお勧めします。

なお、WirthBuilderやCWXEditorはシナリオ作成ツールであり、宿の移植ツールではありません。
ここで紹介しているのは、本来の用途からは外れた使い方です。
もし宿の移植が上手く行かなくても、WirthBuilderやCWXEditorの開発者の方に不具合報告をされないようお願い申し上げます。

(※想定しない使い方について不具合報告が来ると、開発者の方が困ると思うので。)

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Next→CW1.50 宿移植の流れ

以下、移植元のNextエンジン用の宿を「Next宿」、移植先となるCW1.50用の宿を「1.50宿」と記載します。
リンク先の手順詳細ページについても同じです。

(0)事前準備
  ↓
(1)Next宿側の準備
  ↓
(2)1.50宿側の準備
  ↓
(3)PCの移動
  ↓
(4)済印・宿ゴシップの移植:バイナリ編集 or テキスト編集
  ↓
(5)最終調整

CW1.50経由で、Pyにも移植が可能です。
もっと古い公式エンジン(CW1.28~1.30)に宿を移植したいときは、このコーナー内のCW1.50などと書かれている部分を移植先のバージョンに置き換えて読んでください。

※※※
実際に移植を行った結果を、以下のリンク先で公開しています。
どのようになるか見たい方は、ご確認ください。
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